【用具】 TIBHAR社/Grass D.TecS/0.5mm 使用レビュー | 働くカットマンのチラ裏卓球ブログ

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【現在の使用用具】
ラケット:ビオンセロ (特注グリップ/ニッタク)
F面:ディグニクス09C (特厚/バタフライ)
B面:バーティカル20 (特薄/STIGA)

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 乗り換えるつもりないのに…買っちゃいました。
 ぐらすでぃーてっくす の 0.5mm

 

外観

 待望の超極薄スポンジverです。

 グラスの特長は、半端ない回転反転能力の高さを活かしての超絶デスカット。
 ただしテンション粒というコンセプトのため、ぶっ飛びー。

 1.2mmとOXを計3ヶ月使っていたことがあるので、どんな性能になるのか、
 大凡の見当はついていましたが、予想よりイイ感じでした。

 結論としては、継続使用しないんですけど…。


 まずは粒高面の様子。

 

 

粒高面

 

粒目アップ

粒形状アップ

 粒配列は横目です。
 やっぱ横目と縦目って関係なくないすか?(持論

 粒形状はほぼ円柱。

 

グラスとNo.1比較

 左がグラス、右がNo.1です。

 粒の高さ・太さは計測器が無いため目算ですが、グラスの方が高くて太いですね。

 グラスの粒表面には網目があり、摩擦係数を確保しています。

 粒密度はNo.1の方がぎっしり目です。粒硬度は同等で、ふにょふにょしてます。

 粒、倒しやすいです。

 

比較

 ちなみにこちら、左がフェイントロング3で、右がNo.1です。

 

スポンジ面

スポンジアップ

 スポンジ面です。

 ティバー社のHPによると、新発売の0.5mmと0.9mmのスポンジは、1.2mmと1.6mmのスポンジと処方が異なるとのことです。

 スポンジはデカ目の気泡で、触るとザラザラしてます。
 テナジー系のスポンジなんすかね。
 気泡がデカいと物理的にどういう作用になるんすかね。

 まぁ、んなこたぁ知ったこっちゃねぇ!

 

 では、使用感想。


【レビュー対象】
 TIBHAR社/Grass D.TecS/0.5mm/黒

 主な比較対象は、フェイントロング3/超極薄(0.5mm) と No.1/0.6mm

【使用用具】
 ラケット:ビオンセロ/ST
 F面:バタフライ/テナジー05FX/アツ/赤
 B面:
TIBHAR社/Grass D.TecS/0.5mm/黒
 総重量:163g

【重量】
 (ラバーカット前/カット後) 31g/24g
 同ラケットに貼り付けたカット後重量で比較すると、
 ロング3の超極薄(0.5mm)とNo.1の0.6mmがともに23gです。
 わずかにグラスの方が重いですが、誤差ですね。個体差レベルです。

【粒形状、密度等比較】
 粒の高さ
 グラス > No.1 = ロング3

 粒密度(高い順)
 ロング3 > No.1 > グラス

 粒直径(太い順)
 ロング3 > グラス > No.1

 グラスの粒表面にはロング3と同じく網目有り。

【粒硬度】
 ロング3 >>>> グラス=No.1(ふにょふにょ

【打球感/弾み/球持ち】
 打球感は…なんとも言えないです、なんか独特なんです。
 僕のボキャブラリーでは「~に似ています」みたいなのが思いつかない…。

 グラス >> No.1 ≧ ロング3 の順の弾み&球離れの早さ。
 No.1とロング3はほぼ同等の低弾性。
 それと比べると、グラスはやはりちょっと弾みます。

 …が、1.2mmの超級弾み具合を考えれば、物凄くマイルドです。

 球離れの早さも弾みと一致しており、感覚的には分かりやすいですね。
 弾みが強い分、球離れが早いと感じる…という具合です。

【相手の回転から受ける影響度】
 グラス>No.1≧ロング3 (影響が少ない順)

 グラスの球離れの良さに起因してか、全体的に回転の影響度が少ないです。
 特に弱インパクト時には影響度の少なさを感じますね。
 強インパクト時には、どれも大して変わりません。

【ドライブ】
 ペン粒プレイヤーの方に譲ります。笑
 カットマンで、敢えてグラスでドライブを使用する機会は無いでしょう…たぶん。
 かかりません。笑

【スマッシュ】
 かなり揺れるナックル性のボールが、粒高にしてはかなりの速さで相手コートに刺さります。
 少し低弾性の裏ラバーぐらいの速さはあるので、反転せずともなかなかのスピードを確保できます。
 また、スマッシュする分には球離れが良い感じに早いため、回転の影響も受けづらい。

 惜しむらくは、球が揺れすぎてややホップ気味になってしまう時があり、ちょっとインパクトが弱くなってしまった時のコントロールが難しいです。
 深さを追求するのはやめて、相手のミドル方向を狙うようにするだけで大丈夫かと思います。
 十分、相手にとって返球困難なボールになります。

【ブロック】
・当てるだけブロック

 ものすごい回転が残ってイヤーな球になって飛んでいきます。さすが。
 グラス自体の弾みもそれなりにあるため、粒高のブロックながら、スピード面でも相手を揺さぶることができます。
 ただし、コントロール性能はNo.1やロング3の方が上です。
 相手の回転を残した不規則な変化ボールが出るために、こちらとしても自分の出すボールの正確な軌道イメージが難しく、そこがコントロールを難しく感じさせるところ。

・強インパクトブロック
 球、速いです。笑
 インパクトがズレなければコントロールは十分できるため、しっかりコントロールしたいならソフトタッチよりむしろ強く当てるべき。

 ブロックのコントロールは難しめですが、粒高にしては素直な球質になりやすいロング3やNo.1と比べると、相手にとっては相当打ち込みづらいボールになります。
 カットと前陣ブロックを混ぜれば、かなり嫌がられるでしょう。


 カット性ブロックについては、技術幅にないので省略です。

【ストップ】
 止めるだけなら好感触です。
 弾みがそれなりにあり、かつ回転の影響度は少ないため、扱いやすい裏ラバーのような感覚です。
 かなり切れた短いサーブ相手だと、勝手に回転が残ります。相手は困惑しますが、僕自身も回転がよく分からないです。笑

【フリック/チキータ/プッシュ】
 球離れが早いので、ちょっとチキータ等の回転を与えるプレイはやり辛い。
 ロング3やNo.1はその点 結構自在性がありますが、
 グラスでしっかりコントロールするためには、ロング3やNo.1で必要とされるインパクトよりも薄く捉える感覚とスイングスピード、あとは慣れが必要です。

 プッシュは0.5mmになってもなかなかの快速です。さらに、回転が残ります。相手にはかなり嫌がられる球質ですね。
 プッシュを台に入れるだけならコントロールは容易で、かなりやり易い部類です。
 しかしコントロール性能が特長の粒高達と比べると、より精度を上げてコースを狙うには技量を要します。
 やらしいナックルボールの弾道を完璧にコントロールするのは、難しいですね。

【ツッツキ】
・切るツッツキ
 ロング3やNo.1ですと、「どうせ粒高のツッツキだ」と甘く見ている相手が落とす程度の切れ味は出るのですが、
 グラスだと僕の技量では…そこまでの切れ味は出ませんでした。

 球離れが早いため、ロング3やNo.1の感覚で振ると、回転をかけ切る前に飛んでしまいます。
 スピードも出て飛びやすいので、弾みを抑えて台に収まるよう、より繊細なボールタッチが必要となります。
 また、思ったよりは粒表面の摩擦力がありません。
 粒高で下回転サーブを出し比べてみるとよく分かります。

 そのため、ロング3やNo.1と同じだけの回転量を得るためには、さらに「薄く」捉え、かつスイングスピードを早くする必要があります。

 つまり、かなり上級レベルの技量が必要だということです。
 グラスでしっかり切れるのであれば、ツッツキの感覚は全国レベルかと。

・ナックルツッツキ
 意識せんでも簡単にどナックルになりますので、ナックルに慣れていない相手なら、カモにできます。


 下回転をかけるのは技量を要し難しいのですが、横回転で変化をつけることはそれなりにできます。
 切れない人でも、横要素の弾道変化でコースを突いて、相手を揺さぶることは可能です。
 また、粒高にしては弾む分、スピードのあるツッツキを送れますので、その点では相手もやりにくさを感じるはずです。

【カット】
 まずグラスの真骨頂、ドライブに対して当てるだけで簡単ブチ切れカット。
 相手の回転量が多ければ多いほど、勝手に回転を反転させて、切れます。

 また、スポンジ厚0.5mmで弾みがマイルドになったことで、自分から切りに行くことがかなり容易になりました。
 反転分の回転量 + 自分から加える回転量 = 更なるデスカット

 グラス側に対して回転量のあるループを打ってくれる相手なら、カモにできるでしょう。

 下から擦り上げるカットの切れ味もヤバイのですが、ループを高い打点で捉え、粒を潰しながら切り下ろすカットは、まず強打不可能です。
 その後の攻めはブロックするなりカウンターするなり、持ち上げてきたところをさらに切り倒すなり、好きにできます。

 そこそこの弾みがあることから、押すだけのカットもやりやすく、ブチ切れとナックルモドキを使い分けることも可能です。

 しかし、乗せ打ち等の回転とスピードの無いボールに対して、棒球に近いカットになってしまうのは変わらずでした。
 こちらもツッツキと同じく、自分から切るためには相当な技量を要します。

【サーブ】
 回転量には全く期待できません。
 揺れるナックルロングを出したい時や試合の流れを変えたい時のアクセントに。

【反対側のラバーへの影響】
 今回、スペアラケットに貼り付けて使用しています。

 フォア面は05FXのアツですが、普段使っているトクアツと同じかやや控えめぐらいの弾みになりましたので、少しだけフォアが弾むようになったかなと思われます。
 グラスのスポンジが弾むのでその影響が出てるんでしょうね。

【総評】
 脅威の反転能力を活かした変化カットの威力は変わらず。
 さらに、1.2mmのように弾み過ぎて使えん!ということもなく、
 OXのようにコントロールし辛いし自分からは何もできない!ということもなく。

 グラス0.5mmは、かなり万人受けするラバーになったと言えます。

 大体のカットマンの技量レベルで考えると、
 全国レベルの方 又は 都道府県大会出場レベルまでの方 にはオススメ

 逆に他のラバーの方が合っているだろうと思うのは、その間
 都道府県大会上位レベルから全国レベル未満までの方


 全国レベルの方なら、相手の回転量と自分のインパクトから計算して、ボールの軌道及び回転量をほぼ把握し、コントロールすることが出来ると思います。
 また、ツッツキやナックルに対してのカットも切ることが出来るため、グラスの持つポテンシャルを最大限に活かすことが可能だと思います。

 都道府県大会出場レベルまでの方の場合、とりあえずグラスで当てて返しておけば中級者潰しのヤラシイ球が飛んでいきますので、かなり嫌われながらも勝てる試合が増えると思います。笑

 逆にその中間層にとっては、もう少しコントロール性能の高い粒高を使った方が、応用性が高く、相手のタイプを問わず弱点の少ないプレイができると思います。


 個人的には、回転の影響度が小さく、また1.2mmよりずっと弾みがマイルドになったため、思いの外好感触ではあったのですが、
 それでもやはり粒高の中では少し弾む方ですので、プレイ領域を少し後方に広げるか、ラケットを弾まないものに変えるか考えないといけませんし、
 やっぱりツッツキと対ナックルがそこまで切れない…というのが致命的です。

 あと、自分のコントロール外のボールで得点しても、ツマランです。笑

 カットの最大回転量は魅力的ですが、No.1でも十分なデスカットが出ます。



 相手がグラスの特性を理解している場合、
 バック側へのナックル&下回転ロングとバック~ミドル前のナックル&下回転サーブ等で棒球レシーブを誘い、3球目ドカーンを狙って試合を組み立ててくると思われます。
 ラリー中はグラス側に回転のないボールやツッツキを集め、機を伺ってのフォア~ミドル責め。

 カットマン側としては、この組み立てへの対策を講じなければなりません。

 グラスで自分から切ることができれば問題ありませんが、切ることができない人であれば、相手の行動を読んだ上で反転で対応したり、フォアで回りこんだり、プッシュ等で攻め込んだり…などで、相手の的を絞らせない立ち回りが必要です。



 僕には ちょっと むずかしいです!





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