その子のやや低めの遠吠えが

 

丘の上からこだまし、そして、止んだ。

 

ご夫婦に知らせたのか?

 

ここだよと、私達に教えているのか?

 

 

本当にびっくりした。

 

そして、心が躍った。

 

 

集落にあるお寺に、車を止め、逸る気持ちを抑えながら、

 

歩く。

 

近所の高齢男性が、声をかけた。

 

うちに車止めていいよとの親切さ。

 

この地区で目撃される犬を、案じて日参し、

 

聞き歩くTさんの姿が地域に伝わっていた。

 

 

僅か5~6分ほどで

 

 

先ほどの畑に着いた。

 

 

Tさんから聞いていた

 

険しい山と言うほどではなくて

 

 

辺り一帯、広々とした

 

 

日当たりの良い、明るいイメージの

 

 

小高い丘だった。

 

この辺りで猫保護しているという

 

Cさんと合流。

  

畑で70歳くらいのご夫婦おじいちゃんおばあちゃんから

 

最新情報を聞いていた。

 

 

その子はすぐに姿を現した。

 

大型犬というより、15㎏くらいの中型犬みたいだ。

 

想像していたより小さかった。

 

こんな風にして現れたが(警戒したのか?)

 

すぐにまた木陰に身を隠してしまった。

 

 

これは

 

おばあさんから見せてもらった写真。

 

こんなふうにおばあさんにはすごく懐いている。

 

 

この崖の上から現れるので

 

 

ポニョと名付けて、食べ物をあげたり可愛がっている。

 

全く攻撃性などない子らしい。

 

センターの方が見に来ると

 

おばあちゃんおばあさんの後ろに隠れてしまうらしい。

 

 

3人がそれぞれが持って行ったフード

 

おばあちゃんおばあさんに託した。

 

私が持って行った毛布は必要なさそうだった。

 

 

聞くと、近く、

 

保護の動きがあることがわかった。

 

良かった!!

 

この子の行く末を案じて、いてもたってもいられず、

 

こんな風に集まったが、

 

動きがあることが分かり、安心した。

 

 

こんなに懐いているなら、

 

ご夫婦のうちの子にして貰えないか?

 

打診されているが、ご主人の健康の不安もあり、

 

少し難しそうだ。

 

でもね、

 

主人とポニョのこんないい写真があるのよ

 

女性は嬉しそうに見せてくれた。

 

 

甘えるポニョが本当に可愛い。

 

 

軽トラを見ると

 

飛んで行って荷台に駆け上がろうとする子。

 

捨てて行った飼い主を探すこの子の話に

 

心が痛んだが、8ヶ月経ち

 

今はそのようなこともないようだ。

 

ご夫婦が帰り支度すると、寂しそうにするが、

 

こんなフレンドリーな子なら

 

必ずや

 

次の幸せがあるのではないかと思う。

 

いや、

 

必ず、そうあって欲しいと願う。

 

Tさんは往復2時間の車中で、

 

保護活動の難しさを話してくれた。

 

愛犬と過ごす時間が少なくなること、

 

人間関係の難しさ等々。

 

でも私を降ろすと、気を取り直し、

 

猫のトライアル先の湘南地区まで

 

再び、車を走らせて、向かって行った車