今年最後のコンサート、クリスチャン・ツイメルマンのピアノリサイタルに行った。
ここのところ、立て続けにジャン・チャクムル、シプリアン・カツァリス、スタニスラフ・ブーニンのコンサートに行き、その都度、存分に楽しませてもらったのだが、本音を言うと、今回のツイメルマンが一番私の好きな音色だった。
肉厚の葉の上を、水玉がころころと転がるような心地よい音で。
ピアノはどのメーカーの何だろう。
休憩時も、ピアノも一切撮影禁止だったので、特別なメーカーの特別仕様なんだろうか。
私の席からはその名前が見えないので、終演後、わざわざ見に行って確認したら、スタインウェイだった。
今までも、何回か聴いたことがあるのに、今回すごくいいと思ったのは、やっぱり演奏家の力によるのだと痛感した(←当たり前な話だけど)。
前半、シューベルトの4つの即興曲だったのだが、特に第4番は私自身、ずーっと練習している曲。もちろん、私のはなんちゃって状態なわけで、「鍵盤の上で指がもつれる」などと言っていては弾けるはずもない。この曲をあんなふうに「水玉がころころと転がる」ように流麗に、透明に弾かれて、もう唖然とするほど感動した。
それから、フランクの前奏曲。
初めて聴いた曲だったが、一聴で虜に。
もちろん、ツイメルマンが弾いたからだけど。
こんな曲が弾けたら、どんなにかいいだろうなあ。
友もいた あの音色に 何思う
鞠子