数日前、キリンから、ホームタップのお誘いメールが送られてきた。
一時期、大流行した「家で生ビールが飲める」というサブスク。
コロナ禍で、外飲みができなくなったため、何か月も待って私も契約したのだが、コロナ禍も落ち着き、外で飲めるようになったし、何より定年で給料がダウンしたため、缶ビールに比べたら超お高いこのホームタップを泣く泣く解約した。
それから2年が経った。
今回、送られてきたメールは、基本料金がかからないという新コースができた、というものだった。
つまり、支払うのはビール代だけ。1か月に1回しか送られてこないので、スキップしたら、その月はただ、ということになる。
ただ、その分、ビール自体の料金は高くなっているしサーバーはリユース品、そして定番の一番搾りプレミアム以外に選べるビールが3種類に限定されているが。
結局、代金的には1か月あたり1,000円強、安くなるということか。
これは心が動いた。
私は生ビールが好き。アルコールは生ビール一択。やっぱり缶ビールとは全然違う。クラフトビールも好きだが、これは好きな味かそうでないか、当たり外れがある。
しかし、1,000円安くなったところで、1杯の単価を計算したら、缶ビールが2本以上飲める。
さんざ、迷った。
ビールなど、し好品だ。絶対飲まなければならないものではない。むしろ飲まないほうがいい。
でも、あのサーバーから注ぐビールの味。
年末年始、うちにあのサーバーがあったらどんなにいいか。
契約するか、しないか、するか、しないか……
迷って迷って迷いまくった挙句、悪魔のささやきにマケマシタ。
いや、もうこうなったら、ホームタップ分、ダブルワークの仕事を増やして稼ぐしかない。
耳元で キリン囁き なびく我
鞠子
