地元の公立病院で行われたレクチャーを聴きに行った。
講師4人は、みなこの病院の医師。そのうちの1人が大学の時の同級生なのである。
この病院、私は年一回の検査でずっとお世話になっているのだが、大病院だし診療科が違うしということで、一度も彼に会ったことがない。ただ、母がこの病院で治療をうけたとき、ロビーで偶然会ったことがあるのだが、それとてかれこれ20年近く前のような気がする。
そうして久しぶりに会った彼をを見て、正直、めっちゃムカついた。
彼、嘘みたいに「シュッとしていた」のである。
学生の頃はいわゆるずんぐりむっくりで、超スローなしゃべり方をするやぼったい人だった。
それが、今やシュッと。真っ黒の髪をきちんと整え、襟足がすごくスッキリしていた。話し方は相変わらずだったが、それがむしろ、いかにも患者に安心感を与える雰囲気を醸し出していた。
そして、それ以上に驚いたのは、ほかの医師が講演する際の彼の聴講の姿勢。
彼以外の講師は、若い医師ばかり。
自分の出番が終わったら退席してしまう講師もいたのだが、彼は最後まで、背筋を伸ばしたまま、真剣に若い医師の話に耳を傾けていた。
今や役付きのえらい様なのに。
大学を出てから、少なくとも私とは比べ物にならないほど勉強し、修羅場に遭遇し、なおかつ毎日緊張を強いられる仕事をしているにもかかわらず、こんなにシュッとしているとはどういうことか。
この差は何なんだ。
正直、本当にムカついた。
自分が全く情けない限りだった。
この先も 何が起こるか わからない
鞠子