仕事で公的機関が開催する講演会に出かけた。
働きやすい環境づくりを大テーマに、ある項目に絞った講演テーマが記されていた。講師は肩書に「士」のついた有識者だ。
だが、開口一番、「この講演テーマをいただいて、どうしようかと思いました」と切り出した。
そして、続けて曰く「ですが、お引き受けし、ネットや書籍を調べて今日はやってまいりました」。
なんか、嫌な予感がした。
嫌な予感通りだった。
講師が話したいろいろは、「私でも知っている」程度の内容だったのである。
そりゃ、そうだよな。ネットや書籍を調べていらしたんだもん。
もしテーマが先に決まっていたのなら、「そのテーマのエキスパートを選ぶ」べきだ。
そうじゃなくて、講師が先に決まっていたのなら「その講師の専門分野をテーマにする」べきだ。
…そんなの、私たちの仕事じゃ当たり前なんだけどな。
いやいや、もしかして、担当者も、この講師がこのテーマの専門ではないことを、例えば打ち合わせの段階とかで初めて知ったのかもしれないな。
事前に入手したプロフィールには、そのテーマについて知識ある旨、書いてあるにも関わらず。
でも、打ち合わせの段階で、いまさら断わるわけにはいかないわけで。
…ま、私たちの仕事でも、確かにこれはあるあるやな。
その話 一歩先が 知りたいの
鞠子