コロナ禍以降、何十年かぶりにピアノ熱が復活し、週に1回は弾くようにしている。
その中で、若いころにはありえなかったことが様々起こっており、あまりにも自分にイライラするので、きちんと整理してみることにした。
(1)指がもつれる
久しぶりに走ったら「頭で思っているように足が動かず、足がもつれる」という体験はかなり前に体験したし、頭の中でその様子を想像することもできる。
だけど、まさか、ピアノを弾くときに指がもつれるとは思っても見なかった。
人差し指と中指がもつれる。小指と薬指がもつれる。こんなこと、アリか。私の中ではありえんが、実際に起こってしまっている。
(2)楽譜と鍵盤がタイミングよく見れない。
楽譜を見て弾く。途中、鍵盤を見る。その次がいけない。視線が楽譜に移ったとき、「今、弾いている箇所」を見失ったりする。そうなるのが予想できるので、鍵盤が見れない。かといって、鍵盤を全く見ずに弾くことは私にはできない。楽譜を見て鍵盤を見て、つまり、上を見て下を見て、の動作がうまくできない。タイミング的にもうまくできない。そして、特に楽譜の正確な位置を瞬時にキャッチできない。
(3)何度練習しても、頭の中で分かっていても、弾けない
そんな超高難度の旋律を言っているのではない。いちお、楽譜は読めた、頭の中でその音もリズムも想像できる、なのに、その通り指が動かない。何度やっても弾けない。なぜ思った通りに指が動かないのか、自分でも理解できないほど手の動きが鈍い。
(4)一度弾けたからといって、次弾けるとは限らない
私はとりあえず右手だけを何度か練習する。で、右手がそこそこ弾けるようになったら、左手の練習をする。こういう練習の仕方がいいかどうかは知らないが、これしかできないんだから仕方がない。
ところが、今、右手でここまで弾けるようになったのに、翌日になったら全く弾けず、ほとんどゼロからのスタートになってしまっていることがある。もちろん左手もしかり。
(5)日によって、出来・不出来が全然違う
なぜだか、全く弾けない日がある。昨日まで、普通に弾けていた箇所が全く弾けず、なぜそうなるのか分からない。
かと思えば、頭より先に指が動き、なぜ弾けたのかわからないくらいのときもある。
(6)…というような理由で、弾き出すまでに時間がかかる
(1)から(5)のような理由で、最近、ピアノに向かうまでに時間がかかるようになった。全然思ったように弾けないことも一理あるが、それ以上に老化に直面するのがしんどくて、つい、逃げてしまう。
このごろピアノはボケ防止になる、ということが、実感としてよくわかるようになった。
ピアノを弾くということは、指先を使うといった部分的な話ではない。全身を使い、かつ非常に深い精神活動を伴うことなのだ。
目下、ベートーベンの『月光』に大チャレンジ中。
第3楽章など、3倍か5倍かのスロー速度。
曲が素晴らしいことだけを励みに、老化と対峙している。
今日も弾く 明日も弾こう 弾かなくちゃ
鞠子