スイミングで水着に着替えているとき、ふと思った。
ちょっと前になるが、テレビ「寄せて上げる」をうたった下着のCMが頻繁に流れていたではないか。
背中や脇下の肉を強引に寄せ、「胸」としてブラジャーの中に詰め込み、それを上に引っ張り上げる。
当時、大変説得力のあるキャッチコピーだと思ったし、今も結構そのコピー、脳内に刷り込まれている。
だが、今、痛感する。「寄せて上げる」には、前提がある、と。
水着は結構キツいものを着用するので、基本、あらゆるところの肉が定位置にないと、着心地が悪い。
ただ、背中や脇下の肉はできるだけ前面に寄せたほうが、背面がしっくりくる。
ところが、いくら前面に寄せても「弾力性のない肉は元に戻ってしまう」のだ。
あるいは、「はみ出て垂れ下がる」。
「寄せて上げる」ためには、弾力性という前提が必須だ。
その現実に、今頃になって気がついた。
あきらめる 「形状記憶」と 言葉変え
鞠子