職場の前庭に小さな池があり、大家さんがコイを飼っている。

うちのスタッフが、毎朝、池のふちでタバコを吸いながら、ホースで水を入れている。

ホースの先は池の中に置かれた大きな石製のカエルの置物の頭に乗せられ、そこからしばらくの間、水を出しっぱなしにする。

 

カラスが賢いのは、まず、タバコを吸っているスタッフがいなくなるのを遠くで待っていることだ。

そして、彼がいなくなるや否や、急降下してきて石製カエルの頭の上に立ち、水を飲むのである。

そうそう、池の中の汚れた水は飲まない。ホースから出る水にくちばしを突っ込んで、きれいな水を飲むのである。

石製カエルの頭は立ちにくい。それでも彼らは器用にバランスを取り、ホースから水を飲む。

 

ところで、

仕事用で信金に行ったら、駐車場の外側にあるゴミステーションにカラスが2羽いた。

私の視力で見える位置まで来て、初めて気がついた。

彼らは、ゴミネットの上に立ってゴミを物色していたのである。

 

ゴミネットは、カラスにとって爪やくちばしが引っかかる危険物ではないのか。

それなのに、一体どうやって立ち、どうやって獲物にくちばしをいれているのか。

 

用事をすませ、信金から出てきた後、確認してみた。

1羽は、ゴミネットにある穴、その決して大きくないほころびに、両足先をうまく潜りこませ、その近くにある別のほころびにくちばしを突っ込んでいたのである。

そしてもう1羽は、ゴミネットがくくられているコンクリートの塀、平均台ほどの幅があるその塀の上に立っていたのである。ゴミネットはそこから垂れ下がっており、下にあるゴミの山の重みに引っ張られ、かつ自分の重みもあり、塀の上部はネットがピンと張られた状態になるのだ。そこに上から真っすぐ足を下ろせば、爪が引っかかることはない。

 

何度もの失敗を経て、体得した技術だろう。

改めて、カラスの賢さに脱帽した。

 

 

 

 

 

 

濡れ羽色 美しいはずが 嫌われる

鞠子

 

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