いまだ、海外テレビドラマのレックスシリーズにハマっている。

スーパーワンコ・レックスは、本当にかしこくてかわいくて勇敢で、見ていてキュンキュンする。今、私の中では「恋人にしたい1位」と言っても過言ではない。

 

シリーズの中の一つ『マルコ&レックス~ローマ警察シェパード犬刑事』。

レックスには毎回感動するのだが、今回は、カルロに泣けた。

 

途中から見たので、ストーリーはよくわからない。

犯人のせいで、マルコ警部の仲間が意識不明の重体。病院で手当を受けるも意識が回復しない状態……私はここから観た。


以後、マルコ&レックスの活躍で、犯人は捕まる。

そしてラストシーン。重症だった仲間は無事回復し、マルコや署長、同僚やカルロに見守られ、励まされ、車いすから自力で立ちあがる。

みんな、大歓声。

その瞬間、意地悪な私は思った。カルロの喜びは、本心か、と。

 

しばらくして、カルロは病室の外へ出た。

署長も、カルロを追って廊下に出てきた。

カルロは署長を前に、「彼が回復してうれしい。でも、素直に喜べない。こんなの不公平だ。彼は治ったのに僕は……と思ってしまう自分は、なんて嫌なやつなんだ」と。

署長を前に慟哭するカルロ。その手にそっと触れるだけの署長。

 

このワンシーン、めっちゃ泣けた。

カルロも同じような目に遭い、一生歩けない体になってしまったのだ。

だから、刑事を辞めざるを得なかった。今は「尋問のエキスパート」として警察の補佐をしているが、ここまでになるまでの努力と気持ちの立て直しは相当大変だったに違いない。

 

もし、この回が、「同僚、回復しました・全員祝福しました・めでたしめでたし」だったら、深みのない終わりだっただろうと思う。

カルロは自分を「嫌なやつ」と言ったが、回復した仲間に嫉妬する気持ちは、とても自然だと思うのだ。人の幸せを祝福しながら妬む。人の痛みに同情しながら、自分でなくてよかったと思う。そういった醜さは、誰の心の中にもある。

もちろん、そんな気持ちは持たない人はいないなんて断言はしないが、少なくとも私の中には十分にある。

 

カルロの涙と無言の署長が、作品にリアリティを、奥行きを追加してくれた。

今日の回、レックスだけでなく人間にも感動した。

 

 

 

 

 

 

 

醜さを 自覚す 深く息をする

鞠子

 

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