散歩の途中、時々餅屋さんに寄る。

昔からあるお店で、一見、「よくつぶれずにやっているなあ」と思ってしまうような店構えなのだが、ネットで「激おいしい」なる投稿を偶然見つけたのをきっかけに、利用するようになった。

 

餅屋さんなので、お餅は当然、あとはおはぎとか大福とか、ちょっとだけ店先に並んでいる。

私は、ここのあずきやきなこのおはぎと、今時期だと花見団子がお気に入り。

残念ながら、今日はきなこのおはぎがなく、あずきおはぎと花見団子を購入した。

珍しく、御主人が店に出ていらしたので、つい、お気に入りのラインナップを口にしてしまった。

すると、御主人は笑いながらこう言った。

 

「結局、何も入っていないだけのことですよ」

 

これは名言。たしかにそのとおり。

名の通った和菓子屋さんでこれらのものを買うと、やたらと甘く、口当たりがよすぎるのだ。

スーパーで売られているような大量生産のものなんかだと、それらも味をやたらと強調するような人工的な味がして不自然なのだ。

それにくらべてこの餅屋さんのお菓子。

おはぎも花見団子も、ほんのり甘い程度。歯ごたえも相当ある。

 

何も入っていないから。

ものすごく納得した。

 

ちなみに、ここのお菓子はどれも日持ちがしない。

だから、少量ずつしか買えなくて……と言ったら、御主人はこう言った。

 

「それが本当にありがたいです」

 

 

 

 

 

 

 

粗いめに つぶしたおはぎの 餡の中

鞠子

 

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