若いころは考えもしなかったが、年とともに「意外な老化」を発見して、ちょっと驚いたりする。
例えば「引っかける」。
あるいは「引っかかる」。
小さな段差に足を取られるとか、畳のへり程度でもつまずくというのは、想定の範囲だった。
だが、例えば、「洗って立ててある皿に腕が引っかかる」とか、「リュックを持ち上げるとき、肩にかけるバンドが傘を引っかける」とか、「カバンの中からAを取り出すとき、小指がBを引っかける」といったことが頻繁に起こるのだ。
それも、肩かけバンドもBも、意識して引っかけようとすれば結構難しいような形状なのである。
笑える。
実に面白いくらい、意外なものを引っかける。
まさかこんな老化現象があろうとは、全く想像していなかった。
あちこちで 哀しみ苦しみ 引っかける
鞠子