荒れ放題になっていた我が家の玄関先。
なんとかせねばと思っていたが、そう思い立った途端に季節外れの雪が降ったりして、手を入れるのを1日伸ばしにしていた。
でももう、さすがに我慢の限界。玄関先に出るたび気持ちが下がって仕方がないので、大量買いするならここ、と決めている隣町のホームセンターにとうとう行った。
がっかりした。
多種類、大量、それなのに手入れの行き届いていた花苗売り場が、見るも無残な状態になっていたのである。
このホームセンター、「花が好きでたまらない」のが丸わかりの高齢スタッフが、いつも嬉々として働いていた。
せっせと花殻を摘み、水をやり、肥料をまきながら、お客さんに育て方の指導をし、絶対、給料度外視だろうなあと思わせられるほどの働きぶりだった。
そのスタッフがいなくなっていた。
この売り場の荒廃ぶりは、その人がいなくなったからに違いない、と思った。
だから、別のホームセンターにも行ってみたのだが、その売り場を見て、また違う視点に思いが至った。
花苗売り場の半分以上が、「野菜苗」に変わっていたのである。
いちごとかスナップエンドウとか。
POPには、育て方が図入りで分かりやすく説明されており、「初心者でも育てやすそう」な雰囲気満載だった。
そうかあ‥‥‥。
花苗売り場の荒廃&縮小は、人手の問題だけではないんだ。
昨今の物価上昇、野菜高騰も大きく影響しているに違いない。
野菜も果物も、姿形が美しい。
花もきれいで観賞用にも十分耐えうる。
私も思わず心が動いた。
だが、害虫がつきやすいことは想像に難くなく、あっけなくあきらめた。
我が家の玄関先は、もう一件、別のホームセンターにも行き、何とか整えた。
それすらも 変わりゆくのに 変われない
鞠子