毎月必ず支払いがある取引先T社。
いきなりメールで、「今回から、請求書は郵送しません」と言ってきた。
自分でダウンロードしろ、とおっしゃるのである。
おまけに、「振込名の前にお客様番号を打て」とまで命じてきた。そのお客様番号は、と言えば、請求書の上部に虫眼鏡で見なければ分からないような小さな字で、かつ請求書番号と並べて印字してある。よりにもよって、うちのお客様番号と請求書番号は桁数が同じ。非常に見にくい。
いろいろカチンときた。
環境に配慮するために、請求書ダウンロードは当たり前なのかもしれないが、それよりなにより事前に何の連絡もないことが特にきたのである。
もともとこのT社、振込先を中京銀行1行に指定しており、それも前からイラっとしていた。
それでも仕方がないので、言われた通り請求書をダウンロードし、印刷して確認した。
あれ、銀行名が「あいち銀行」になっているではないか。しかし、預金種類も口座番号も以前と変わっていない。
ふふん、担当者、やらかしたな。どこかほかの客と間違えているか、あるいは単に銀行名を打ち間違えたか。電話して、嫌味の一つでも言ってやろうか。
…と思ったが、そんなことしたら、ウラにはまるところだった。
中京銀行と愛知銀行は今年の1月1日から合併し、あいち銀行になったのだった。知らんかった。
だけど、こんなオマヌケは私だけか?
T社は、うちと同じ商品取引を日本全国で行っている。あいち銀行の設立を知らない人は、きっといる。いや、いないとしても、請求書そのものに、あるいはメールに「銀行名が変わりました」と一言記すべきではないか。それがサービスというものではないか。
T社、全然血が通っていない。そして、殿様商売が過ぎる。
などと相当ぷりぷりしつつ、銀行に行った。
ATMに相対し、いつものようタッチパネルをたたいたのだが、画面に「あいち銀行」の名称は出てこない。
ATM上では、まだあいち銀行は認識されていないのだ。
そんなことで、ATMの前でもたもたし、いつもより振込作業に時間がかかってしまった。
ますますハラが立った。
いくらT社にハラを立てても、目の前はパソコンやATM機だけで、一言も返ってきやしない。
現代社会は、本当に変なストレスがたまる。
振り込んだ 機械はそう言う 本当か
鞠子