新聞の書評で面白そうな文庫本を見つけた。
即、アマゾンで購入手続きをしたのだが、途中で「今から8分以内に完了すれば、本日中に配達できます」旨の表示が出た。
手続きをしたのは午前11時頃。
それも、文庫本。
これがなぜ、当日届くのか。
というか、今現在、この本はどこにあるのか。
アマゾンの仕組みって、一体どうなっているんだろう。
私が頼んだ文庫本は、NHKでも紹介されたとかで結構人気らしい。
だから、あちこちから注文があり、各地にあるアマゾンの配送センターに出回っている。
だが、届け先Aの納期は明日でも構わない。鞠子宅が急ぎなら、そいつを先に鞠子宅に回し、A宅は明日でよい。今から8分以内なら、配送センターから鞠子宅に近いクロネコヤマトの営業所に向けて出る便がある。そういう一連の流れをすべて、コンピューターが瞬時にはじき出す、そんな感じなんだろうか。
それでも、私が知っている限りの「我が家から一番近い配送センター」は、高速を使っても1時間はかかるだろう場所なのだが。
昨年観た映画『ラストマイル』が、実感としてよみがえった。
客が文庫本を頼み、客の手元に届き、対価が払われる。その流れをコンピューターが設計し、その過程で多くの人間が「機械の部品」の如く使われる。
この文庫本、ほしいけど、今日じゃなくても全然いいのに。
なんだかなあ、ものすごく複雑な気分になった。
待つ時間 その間に夢や 期待増す
鞠子