そういえば、ふと見たら、知らぬ間に腕にアザができていた……は、前からたびたびあった。
どこかでぶつけたか、強く圧迫されるようなことがあったか。
だが、全くその覚えがない。黒々としたアザだけが、その真相を知っている。
ところが最近、もっと妙なことが頻発しだした。
夜、お風呂に入ったとき、足に結構な痛みを感じるので見て見ると、切り傷があるのである。
すり傷のときもある。
これはいったい、どこで被ったキズなのか。
全然覚えがない。いくら考えても、思い出せない。
ケガをしたときは、それなりの痛みがあったはずなのに。
これはどういうことなのか。
痛みを感じなかった、なんて、結構恐ろしいことだ。
そして、あまりにも情けなく哀しい。
傷跡に いくら聞いても 分からない
鞠子