隣市のスーパー跡地に、新しいスーパーができた。
新聞に、こんな折り込みチラシが入ってきた。
鮮魚が自慢らしい。
チラシの大部分が、こういう写真で占められていた。
これを見て、思い出した。
私が魚嫌いなのは、まさに「こういう写真のせいだ」と。
どれもこれも、断末魔の表情をしているではないか。
のどぐろ、かさごなど、恨み骨髄に徹した表情。
幼いころ、点在していた魚屋さんは、どの店先もこうして「殺されたさかな」が所狭しと並んでいた。
それがものすごく怖かった。
うなぎもしかり、で。
小学生の時、市場見学に行き、うなぎを捌くところをまともにみた。
あのシーンは忘れられない。以来、一切、うなぎを口にすることはできなくなった。
だが、それは非常に身勝手な考えだ。
牛肉や豚肉を食べるくせに、と。
幼いころに見たのが、うなぎを捌くシーンではなく、牛や豚を捌くシーンだったら。
野菜だってお米だって、元はと言えば全部「生きていたもの」だったのだ。
なのに、魚類だけ食べられないというのは、あまりに身勝手だと思う。
だけどやっぱり、魚類は食べられない。
今さら、食を矯正しようという気には、どうしてもなれない。
このスーパーには行くことはないな、と思っている。
残さずに 食べるねだから ごめんなさい
鞠子
