休憩に入った喫茶店に『大ピンチずかん』が置いてあった。

テレビでCMをさんざ観たし、本屋さんの売れ筋ランキングでもいつも上位にあり、少々気になっていたので、迷わず手に取った。

 

子どもが日々、遭遇する大ピンチ。

CMでは、牛乳をこぼすとか洗髪中にシャワーが見つからないとか、子どもあるあるな大ピンチだ。

そういうピンチを出し、その解決法を描く。さらには、ピンチがチャンスになるとかピンチが人を大きくするとか、結論はそんな「訓話」に落ち着くんだろうなと予想してた。

 

だがしかし、予想は全然違っていた。

 

コップに入った牛乳をこぼす。机の上に直接口をつけて、その牛乳をすすろうとしたら、はずみで牛乳パックも倒してしまい、さらに大惨事。ピンチ度倍増。

…で? それで? それがどうした?

いや、そこで終わるのである。

全てがそんな感じ。

何となく、はしごを外された感大だった。

今の子どもたちは、こういうのがいいのか。

売れているところを見ると、いいんだろうな。

 

結論がない。説教もない。訓話もない。つまり、「こんなことあるね」と「こんなこともあったよ」の提示のみ。

いや、だからこそ、自分で考えろ、なのかもしれない。

あるいは、言外にお母さんやお父さん、友だちと一緒に考えてみよう、というのが、作者の思いなのかもしれない。

 

本の意味を考える私が既に「頭が固くなっている」んだろうな。

子どもが読んで、面白いと思えばそれでよし。それで、いろんな絵本や本を手あたり次第、読めばそれでよし。

本や絵本を「何かの目的を持って読む」なんて、そもそも……

 

 

 

 

 

 

 

あの頃の 純な気持ちは 今どこへ

鞠子

 

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