スーパーに買い物に行ったら、店内にあるテナント『買取大国』のハッピを着た若い男性が、自動ドアの向こうでポケットティッシュを配っているのが見えた。
駐車場から店内に向かう間中、見ていた。
なかなかイケメンのハッピ男性は、入店する人、する人に向かってティッシュを差し出すのだが、誰一人として受け取らず、無視してスルーしている。
私も差し当たってティッシュはほしくない。
だが、カゴを取り、それをカートに乗せた絶妙のタイミングでティッシュを目の前に出されてしまった。
ティッシュの位置といい私の体勢といい、受け取らざるを得ない状況に陥り、やむなくティッシュを手に取ってしまった。
そうしたら、ハッピ男性、満面の笑み&威勢のいい声で「ありがとうございましたっ!」と言ったのだ。
なんだかとってもバツが悪かった。
だがしかし、その後、カートを押しながら考えた。
彼は今日、ティッシュ300個(←100か500かもしれないが)、配らなければならないのだ。だが、誰も受け取ろうとしない。だから、(私が)受け取ってくれたくれたことに対し、思わず感謝の言葉が出てしまったに違いない。
だがしかし、もしそうだとしても、ティッシュノルマが1つ減っただけのことであり、私は『買取大国』には行かない。行こうにも、持って行くものがない。
だとすると、このティッシュノルマは意味のない業務ではないか。
いつか、何かの折にこのティッシュを使い、「そういえば、使っていないネックレスがあったわ。あれを売ろう」みたいなことを思うだろう、という将来の売上への投資だろうか。
しかし……
買物をすませて出ていくときも、ハッピ男性はティッシュを配っていた。
誰かが受け取っているシーンは、ついぞ目撃できなかった。
ティッシュとて コストかかるし 利はないし
鞠子