トモからとあるイベントに誘われた。
正直、どっと気が重くなった。
イベントの内容は、私にとってほとんど興味がない。
いや、正確に言えば「未知の世界」。
こういうものに対して、ついこの前までは、好奇心の方が先立った。
つまり、好奇心が勝り、そのイベントのために時間を割き、優先順位をうんと上げて参加した、と思う。
だがしかし、今や、そのような気力はゼロ。
そのイベントに参加するために諸々を調整しなければならないのも面倒くさいし。
それらの面倒くささを乗り越えてでも参加したいほどの熱意はないし。
思えば、このイベントに関してだけではない。
全てそう。
結局、毎日決まりきったルーチン、それがつつがなく回っていけば一番楽であり、気がつけばずっとそんな生活を送っている。
コロナ禍がなかったら、また違った今があるんだろうと思わなくもないけど。
みんな、無意識のうちに物事に優先順位をつけて生活しているんだけど、私の場合、その順位が、今や横並びになってしまった。
何を犠牲にしてでもしたいこと、してみたいことがなくなり、かといってしなくてはならないこともどんどん後回しになる。
やりたいことがない。やらなきゃいけないこともやりたくない。
これも老い、なのかな。
こういう心持ち、いったいどう折り合いをつければいいんだろう。
トモからの誘いは、無難な理由をつけて断った。
未知のもの 触れてケガして 泣き笑い
鞠子