母が眠る納骨堂の御骨仏さまの前には、ろうそくが2本立てられるようになっている。
お参りするときろうそくに火をつけ、線香に火を移し、手を合わせる。
ろうそくの入った箱の横には、「お参りの後はろうそくの火を消してください」と注意書きが貼ってある。
それが最近、このろうそくのうちの1つが「ランプ式のろうそく」に変わったのである。
変わった理由は知らないが、もしかしたら、誰かろうそくを消し忘れて危ないことが起こりそうになったのか。
あるいは、経費削減か。
消し忘れ対策なら、ろうそく2本ともランプ式にしなければ意味がない。だがそれでは線香の火がつけづらいため、苦渋の選択で1本だけにしたのかもしれない。
ではなく、経費削減だったら。
もちろん分からなくもない。
お参りに来る人の多くが、マッチをすりろうそくをつけ、線香をつける。100人来たら、500人来たら。お参りに来る人が多ければ多いほど、マッチ代、ろうそく代、線香代がかかるわけで、これが積み重なったら結構な額になると思われる。
危険回避と経費削減と、理由は両方かも知れぬな。
ただ、いずれにしても、御骨仏さまの前のランプ式ろうそくは、なんだかとっても味気ない。おまけに、若干傾いているし、後ろに電源コードが見えるしで、正直興ざめ。
宗教心のない私でもそう思うんだから、違和感感じる人、結構いると思う。
ま、しょせん、お寺も「商売」なわけで、目くじら立てるような話ではないが。
ゆらゆらと 炎がゆれる 母がいる
鞠子