スイミングの更衣室で帰り支度をしていたら、トモのYさんがやってきた。

彼女は8時からのスクールに参加する人。いつもなら、早めに来てアップのために泳いでいるのに、今日はギリギリだ。

彼女曰く、「家を出るのが遅れた」。ものすごく急いで準備しながら、遅れた理由を私に懸命に弁解(?)し始めた。

と、そんなとき、Mさんもやってきた。

彼女もスクールに参加するらしい。

Yさんが「私より、遅い人がいた。助かった」と面白い勝利宣言をしたのだが、Mさんは水着の上に洋服を着て、脱ぐだけの状態で来ていた。

Mさん、「うわ、やられた」とか言いながら、必死に支度をしている。

と、そこへまた、見かけない女の人が、マシンジムを済ませた雰囲気でやってきた。

彼女も8時からのスクールに出るらしく、YさんよりもMさんよりも焦っている様子が見てとれた。

 

だがしかし、どうひいき目に見ても3人とも明らかに8時には間に合わないのだ。

おまけに最後に来た新人さんらしき人「しまった、バスタオルがない!」と叫び出した。

 

ゴーグルやキャップはスイミングで借りられるが、バスタオルは無理。

どうしよう、どうしようとバッグをひっくり返しているので、「仕方ないから、タオルで我慢してはどうか」と声をかけてみたのだが、なんと「タオルも持ってない」と言う始末。

「車の中にあるかも」と、水着の上に最低限の衣服を身に付けた彼女は、一縷の望みをかけて更衣室を出ていった。

 

こうして、更衣室の中は私一人になった。

さっきまでの大騒ぎとはうらはらに静まりかえった更衣室でしみじみ思った。

私は、今までここにいた3人のように、急いで何かをすることはできない。

ああいう状況になったら、パニくって崩壊する。

それは、年齢の問題ではない。

昔から、「せかされる」とか「時間の制限に追われる」ということに、多大な苦痛を伴う人だった。

せかされ、時間の制限に追われたら、できるものもできなくなってしまう人だった。

 

これ、私の大きな欠点。

 

よくこれで、社会人生活を乗り切ってきたなあと、見逃して(?)くれた周囲に感謝した。

くだんの彼女とは会談ですれ違った。車の中にバスタオルがあったらしく、バタバタッと「2段飛び」ぐらいの勢いで戻っていった。

もちろん、これもできない。

これは、年齢のせい。

 

 

 

 

 

 

 

ゆっくりと 流れる時に ゆだねたい

鞠子

 

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