合唱団に復帰した。
みんなとBACHを歌うのは、実に3年ぶりか4年ぶりか。
久しぶりだから、歌えないだろうな。
それより、コロナをはじめいろいろあったにせよ、不義理し続けたことは間違いないわけで、それがなんとも気になる。
気が重い。
正直、いろんな意味で、練習会場に入るのにかなり勇気がいった。
そして···
いざ、歌い出したら、想像以上にトンデモなことに。
何か、音が違うのだ。
ものすごく、下がっている気がする。
伴奏と音程が合ってない。
先生の指揮とも合ってない。
いや、私がおかしいのか。
合ってないのは、私の方か。
···頭のなか、大混乱。
どうしようもなくなって、何度か歌うのをやめ、聞くことに徹してみたが、ますますわけがわからなくなってしまった。
おそらく、私の耳は正しい。
全体的に、相当音は下がっていた。
コロナ禍前、30年近くここで歌ってきたが、こんなことは初めてな気がする。
だけど、泰然としている先生。
その場では、頭がおかしくなりそうだったが、後でよくよく考えてみた。
音が下がっている、それがどうした。
先生の思いは、そんな「目先のところ」にはない。
これまでだって、テクニックばっかり追求されたことなどなかったではないか。
だから、私はここにいられたのだ。
数年ぶりの歌・復帰に、改めて自身のこれまでを思い出した。
団のトモたちは、不義理をしていた私を温かく迎え入れてくれた。
歌いつつ あの日の私を 思い出す
鞠子