左上の歯のしつこい痛みに悩まされてかれこれ半年。
左上のどの歯が痛みの元凶なのか、それすらわからない。もちろん、原因も分からない。
先週土曜日、レントゲンを撮ったが、強固な素材による被せものは放射線を通さず、中の様子は写らない。
シュッと冷風を当てられても痛まない。コツコツと叩かれてもなんともない。だが、普段、冷たいものや熱いものを食べた後、しばらくのちじわーっと痛くなり、時にはイライラしてしまうほど嫌な痛みが長いこと残る。
咀嚼時は、ものを噛んで上下の歯が離れた後で、キッと鋭い痛みが走ることがある。走らないこともある。
結局、治療としては、1本の歯の内側の根元、若干虫食っているところを充填しただけの状態で様子見となってしまった。
本当に充填しただけなのである。
充填しやすいよう、削って虫食いの形を整えるなどという処置は一切していない。
こんなんで解決するのか?
…するわけ、ないよな。
その充填措置をしたのが先週の土曜日。
翌日曜日。不具合、全く変わらず。やっぱりだめだ。これからも、この痛みにつき合っていかなければならないのかと諦めモードになったが、夕方、事態は急変した。
めっちゃ、痛み出したのである。
これはいかん。様子見どころではなくなった。明日、予約外で歯科に駆け込むしかない。
昨日、診てもらったばかりなのに。
諦めモードが怒りモードに変わった。
やっぱり、先生に食い下がって、深く削り、中まで確認してもらえばよかった。
いったいどうなってんだ!! 私の左上の歯。
この状態じゃあ、今日は眠れないぞと覚悟したが、不思議なことに、「痛みがひく」時間もあることに気がついた。
何がきっかけかわからない。ぐわっと痛み出したかと思えば、脈打つような痛みに変わり、しばらくするとおさまってくる。それぞれの段階が、数分だったり数十分だったり。
で、結局、治まっている間だけは、眠ることができた。
翌朝、若干、痛みのレベルが下がっているような感じがした。
それでも、昼頃までは、「痛む→おさまる→痛む→おさまる」を繰り返していたが、信じられないことに、午後になったらピタリと痛みが止まった。
おそるおそる、冷たい水を口いっぱいに入れてみたが、全然しみないではないか。
歯は痛み出したら自然治癒は決してなく、歯科で治療する以外、方法はない――ずっと信じてきた私の定説がひっくり返った。
人体、神秘すぎる。
自分のからだなのに、自分すら全然分かっていない。
本当に、いったいどうなってんだ!! 私の左上の歯。
てのひらで そっとなだめる 熱き頬
鞠子