NHKEテレで、就職をめざす高校生が面接のレッスンを受けている番組を放映していた(←とはいえ車の中だったので、音声を聞いただけなんだけど)

 

「自分の長所を述べてください」という問いに対し、A子さんは、「コミュニケーション能力が高いことです。誰とでもすぐ打ちとけられます」みたいなことを、B男君は「協調性があることです。工場の中では協力して仕事をすることが大事なので、頑張りたいです」みたいなことを言った。

指導者は2人ともに70点台をつけ、よかったこととして「面接に対し、ちゃんと準備してあることが伝わってきた」ことを上げ、悪かったこととして「想定外の質問をされたとき(←長所以外にも問われたことがあった)目が泳いだ」とか「面接官が終了を告げる前に席を立った」などと指摘していた。

 

おそらく、だが、学校でもこんな感じの面接指導をするんだろうなと思う。

だけど、これ、どうなのか。

大企業ならこういう子は評価が高いのか。

 

もちろん、業種により千差万別だが、うちの職場なら、この2人は不採用だ。

ましてや私が面接官なら、速攻アウトにする。

その理由も、目が泳いだとか席を立つのが早いとか、そんなことはむしろどうでもいい。「コミュニケーション能力」とか「協調性」とか、何をもっていっているのか、そもそもその意味をどのくらい理解しているのか、全然分からないからだ。

それなのに、そういう「力があります」と自分で言うなんて、あり得ない。

誤解を恐れずに言えば、コミュニケーション能力も協調性も、そのくらいの年齢で、理解してもらっていては困る。

それらの能力、そんな簡単なことではないのだ。

もう一つ付け足すと「工場内で協調性を活かして頑張りたい」は抱負であって、この問いに対しての的確な答えではない。

さらにもう一つ付け足すと、この指導者とは真逆で「面接の答えなんか準備してくるな」と思う。

 

近々、うちの職場でも採用を見越した面接をしなければならないが、私は勝手にこんなテーマを考えている。

 

「最近、いろんな色のトマトが店頭に並んでいるが、これをどう思うか」

「ここに箱がある。この箱の利用方法を考えてみて」

「つまようじが100本あったらどうするか」

「スマホもパソコンもテレビもラジオもない1週間、何をするか」

「『キーボードで文字を入力し、フォントを統一してUSBに保存。そのあと、プリンターで出力する』を一切カタカナを使わず説明してください」

「氷川きよしさんについて、思うところを言ってください」

 

…いくらでもある。

模範解答もへったくれもない。事前準備などしようもない。

だけど、こんなわけの分からない問いに対して若い人たちがどう考えるのか、面接ではそういうところを聞きたいんだけど。

私なら。

 

 

 

 

 

 

 

 

マニュアルの 模範解答 むなし過ぎ

鞠子

 

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