『ひな暖毛布』のCMが頻繁にテレビから流れる。
確かになあ、めっちゃ温かそうだ。
いいなあ。
このCMが言う「寒くて寝られない」状態、私もすごくよく分かる。
スイミングやステップ台運動を日常的にするようになってから大分軽減したが、特に足が冷たくて目が覚めるとか眠れないことが、今もたまにある。
だからこの『ひな暖毛布』、見るたび、心惹かれる。
だけど、だ。
このCM、ちょっと引っかかるのだ。
CMに出てくる女性、寒くて眠れずガバと起き上がる。
そして「もうイヤ!」と顔をしかめる。
あるいは、『ひな暖毛布』を使いだして安眠できるようになった男性、朝、むっくり起き上がり、すがすがしい顔で伸びをする。
これらの光景が「あり得ん」と思うのだ。
なぜなら、夜中にガバと起き上がれるのも、朝、起き上がって伸びができるのも、部屋の中が「それなりに温かい」からだ。
少なくとも私の場合、夜中に足が冷たくて眠れないとき、絶対起き上がりはしない。そんなことしたら、ますます寒さが増す。絶対的に、アルマジロみたく、毛布の中ですっぽり丸まる。
朝だって、伸びなんかしている余裕はない。速攻、ヒーターをつけて急いで着替えないと、寒くてたまらない。
このCMを見ている限り、室内は温かいとしか思えない。
ならば、『ひな暖毛布』の効用も疑わしくなってくる。我が家で使ったら、今使っている毛布と変わらないのではないかと思ってしまう。
…ということで、ひな暖毛布にくるまり幸せそうな笑顔で眠る人の画面を見ながら諦めている。
冷たい手 冷たい足に 憂う夜
鞠子