来週月曜日納期のダブルワーク先の仕事がなかなか厄介で、今週、ずっと頭を痛めている。
いつもなら、土曜日の午前中に仕上げるのだが、どうにも気が進まない。おまけに外は寒そうだが快晴ときている。
もう、どうにも我慢ができなくなり、久しぶりに長距離散歩に出た。
目的地は、母の納骨堂とパン屋さん。その途中、どこかでランチをする。
風は冷たいが、やっぱり気分いい。
こんなダラダラ歩きでは運動にはならないだろうが、心の健康にはこれに勝るものはないかもしれない。
あちこち寄り道しながら思った。
新型コロナが騒がれだし、学校や百貨店、職場もスイミングも閉めることを余儀なくされたころ、私は本当にあちこち歩いた。
車が通れない路地や、歩いたことのない農道や。
その中で、意外な雑草を見つけたり、変わったつくりの家を見つけたり、看板やよその家のガーデニング、交通標識、表札、ゴミ、空、電柱、山etc.etc、大小さまざまな新発見ばかりで、それはそれでどんなに楽しかったことか、と。
西へ向かって歩く私と東へ向かって歩く犬をつれたおばあさん。
全然見ず知らずの人だが、道の向こう側とこちら側、遠く離れたままあいさつし、犬の名前を聞いたりして、そんなささいな雑談がどんなにうれしかったことか。
得体のしれないウイルスで不安が募るばかりだったが、これらの発見や小さな日常に対する喜びは、今となってはもう望めない。
コロナで失ったものも多かったが、そういう心持ちを経験したことは、決して悪いことじゃなかった。
今となってはむしろ、あのころを懐かしく思う気持ちのほうが強かったりもする。
そんな今日の長距離散歩は11,072歩だった。
草も木も なにも変らず そこにあり
鞠子