とい面のお宅、若いご夫婦が引っ越してきて1年超になる。
古いが豪邸。こんな大きな家に越してくるなんて、お金持ちのボンボンかお嬢様かとイヤな予感がしていたのだが、実際は全然違っていた。
2人とも、実に穏やか。
特に、ご主人。
この方、不思議な魅力をお持ちなのである。
昨日も、私、玄関前でガーデニングをしていたら、ご主人が帰宅し車から下りるのを見かけたので「こんにちは」と声をかけたのだが····
ご主人(以下、ご)「あ、びっくりした。こんにちは。すみません。ぼーっとしてました」
鞠子「いきなり声かけて、ごめんなさい」
ご「······(無言で自分の家を見上げている)。枯れ葉がすごいんですよね」
鞠子「隣の家(←空き家)のでしょう」
ご「(若干、私の方に近づいて来て、家を見上げ、隣の家の大木をながめ)切ってほしいんですけどね。市役所に言ってもダメだったんです」
鞠子「空き家といっても持ち主がいますから」
ご「それにしても、寒くなりましたね」
···ってな会話をしみじみと、超スローなペースでなさるのである。
20代の男性が。
なんか「詩人と話してる」みたくで妙にほっこりする。
「こんにちは」だけ言って家に入っていっても全然問題ないシチュエーションだったのに、ご主人は私と並んでしばし立っていた。
別に何か話さなきゃならない話題や必要性があったわけでは決してない。
「ぼーっとしていた」を鵜呑みにすれば、何か心配ごとでもあるかもしれないが、だけど基本的にいつもこのご主人、「こんな感じ」なのである。
孫のような年齢の男性の不思議な魅力。
人間はやっぱ面白い。
沈黙も 心地よくある 若い人
鞠子