ダブルワーク先は結構遠い。
朝9時に納品の予定だったが、満を持して早めに家を出たら、8時40分についてしまった。
会社自体は空いているが、朝掃除とか朝礼とか、多数あるパソコンの準備とか、社員さんたちは忙しいだろうから、手を煩わせたくなく、ちょうどいい機会とばかり、駐車場周りをうろうろ散歩していた。
駐車場は土手に面しており、その土手がなかなかいい感じで「雑草」が生えている。
そこに、こんなかわいらしい赤い花が咲いていた。
名前は何というのだろう。
花自体は、親指の爪くらいの大きさで、ポツポツと点在するように咲いていた。
足場の悪いところでしゃがんで写真を撮っていたら、出勤してきた社員のHさんに見つかってしまった。
「入って大丈夫だよ~」
と気を遣ってくれた。
本当は、小さな丸い黄色の花も咲いていて、その写真も撮りたかったんだけど。
この土手に咲いていた赤い花も黄色い花も、ポリポットに入れてホームセンターに置いたら売れそうなのに、ここで生きているせいで雑草として捨て置かれている。
花だけじゃなくて。
こんなふうに、才あるのに埋もれている人、埋もれたまま永久に出てこない人、世の中にたくさんたくさんいるんだろうな。
赤い花 黄色い花と 急に冬
鞠子
