職場で使っている手提げ金庫をとうとう買い換えることになった。
もう相当な年季モノで、あちこちベコベコへこんでいる。そんな見た目はどうでもいいのでが、とにかくきちんと閉まらないことが多くなった。
きちんと閉まったり閉まらなかったりする。
それなのにうっかりして持ち上げ、硬貨をばらまいたことはや数回。
昨日に至っては、ばらまいた場所が悪く、いくら捜しても百円玉2個、出てこなかった。
それで買換えの決定がなされたのである。
アスクルやカウネットの分厚いカタログをいろいろ見た。
アマゾンや楽天でも調べてみた。
値段的にはピンキリなのだが、うちの場合、入れるのがお金だけではないため、一定の大きさが必要だ。
結局、今使っているものと同じ有名メーカーの、つまり、モデルチェンジされた新型を買うことにした。
大きさ、仕様は変わらない。ただ1点、大きく変わったのは、今使っているのはいわゆる「普通の鍵式」だが、新しいのは「普通の鍵」と「ダイヤル鍵」のダブルロックになっていることだ。
なるほどね。よりセキュリティが強化されたわけだ。
だがしかし……
こんな片手で楽々持てる手提げ金庫、いくらダブルロックしたところで、そのままドロボーに持ってかれたら何の意味もないではないか。
ドロボーは、安全なところでこれを叩き壊すなりすれば済む。
つまり、ダブルロックなど意味がない。なのに、ダブルロックにしたことで、商品代は高くなるはずだ。
なんだか、その有名メーカーにだまされた気がした。
だが、待て。
そもそも、この手の手提げ金庫を使うのは、圧倒的に事業所だよなあ。
もしかしてこのダブルロック、「身内が盗む」ことを想定してつけられたものなのか。
お金を管理する者だけがダイヤルのナンバーを知っている。それ以外の不届きな社員が、あるいは公私混同している経営者が、いくら鍵を入れて回しても開けることはできない。
もちろん、経営者自身が管理している場合もある。
いずれにしても「社内での窃盗」を防ぐためにダブルロックにしたというなら、いちお、納得はできる。
…でもなあ、携帯可能な手提げ金庫にダブルロック、要るか?
要らない気がしてならない。
その分、安くしてほしい。
その機能 不要どころか 使えない
鞠子