精神状態が全然よろしくないので、今日は思い切って本業もダブルワークもうっちゃって、映画を観に行った。
観たのは、前から気になっていた『福田村事件』。
関東大震災直後の大混乱のさなか、千葉県福田村で実際に起きた虐殺事件が題材となっている。
朝鮮独立運動は、社会主義者か朝鮮人か不逞の輩の仕業だ、と扇動する政府&マスコミ。
そんな中だから、関東大震災後も、朝鮮人が略奪や放火をした、毒を盛った、との流言飛語がいとも簡単に飛び交い、蔓延してしまった。
そして、千葉県福田村という、緑豊かで、一見、とてものどかな田舎。だがこういう場所は、いわゆる「完全に閉じた地域」であり、異な考え方、異な行動は決して許されない。
そんな土地柄のところでは、流言飛語であろうとも、蔓延してしまったら誰も止められない。集団となって、どんどん狂気に走っていってしまう。
…という怖さは、ものすごくよく伝わってきた。
主人公・澤田が抱える闇も、朝鮮で教師をしていたときに日本軍の虐殺を目の当たりにし、自分自身もその虐殺に間接的にかかわったことで負った心の傷が原因だ。
差別とか貧しさとか。そして、すぐに流されてしまう人間の弱さとか。己の信念に正直に生きようとすることは、実は命がけなのだという矛盾とか。もちろん戦争とか。
人には苦しいことが多すぎる。
この映画が描き出したものは余りにも多すぎて、逆に私には抱えきれなかった。
なにより、こういう精神状態のときにこういう映画は観ちゃダメだったな。
苦しくも 何とか生きる 生きている
鞠子