シカゴにある救急病院を舞台にしたこのドラマ、昨日、恐ろしい事例が登場した。
激しい腹痛を訴えて、救急車で運び込まれた男性。
付き添ってきた女性は、どうやら彼女らしい。
で、この女性、スマホで彼&医師&看護師等々、全てを撮り続け、配信し続けているのである。
それだけでなく、フォロワーにいちいち判断を仰ぐ。
点滴するかしないか。
薬を服用するか注射するか。
手術するか薬で様子を見るか。
フォロワーは何万人も何十万人もいて、選択肢が示されるたび、投票する。
彼&彼女は、その結果に従って行動することで、莫大なお金を稼いでいるのだ。
唖然とした。
彼は虫垂炎との診断が下り、医師は手術を薦めるが、フォロワーの投票結果は「No」。
そして彼は、手術を拒否る。
医師が説得しても、「この『仕事』をする前は、車で寝泊まりしていたが今は高級マンション。この生活を手放したくない」とかたくなだ。
しょせんドラマ。あり得ん話···とは思えない。
むしろ、大アリだ、と思えるから怖い。
昔から、生活のために体を売る、血液を売る、はあった。
自分の「持ち物」を売って何が悪いと言われたら、私は反論できない。
今では、内蔵を売る、もある。
だが、犯罪絡みで強制された場合は別にして、これら、いちお「方法を自分の意思で決めている」。
なのにこの『シカゴ・メッド』は、「自分の命を他人が決める」ことを「自分の意思で決めた」。
もはや、「善悪」「よい悪い」でははかれない。
いや、もう、何度考えても、何かが違う、これではまずい、としか。
YESNO 画面の向こうは 無関心
鞠子