お盆休み直前、職場内で新型コロナに感染したスタッフがいた。
10日午前中、発熱して早退。帰宅後、検査したら陰性だったのだとか。
ところが翌11日、再度検査したら陽性に。
お盆休みは15日までだったので、16日からのこのスタッフの出勤は微妙なところだ。
…という前に、今や「コロナにかかったら〇〇日休まなくてはならない」という決まりはないのだ。
いろいろ調べると、いちお、推奨は「発症した日をゼロ日とし、5日目までは外出しないのが望ましい」。
で、彼の発症日は10日と判断するのか11日と判断するのか。
ますます、16日の出勤の是非が分からなくなってきた。
結局彼は、16日、出勤してきた。
顔色がとても悪い。その顔色を見るなり、私は彼に帰るよう勧めた。
今日17日、やっぱり出勤してきた。
声もおかしいが咳もひどい。
私は仕事が手につかなくなった。
息をするのが怖くてたまらなかった。
コロナなんて、普通の風邪と同じじゃん。
そうかもしれない。
そうでも私は罹りたくない。
コロナだけではない。
病気一式、避けて通りたい。
その理由はただ一つ、「痛い目に遭いたくないから」。
彼は、期限が迫っている仕事、緊急性のある仕事を抱えていない。つまり、休んでも、あるいは在宅で仕事をしても、何の支障もない。
そして、休んでも全く給料に響かない。
「咳が出るので家で仕事します」と言っても、誰一人、責める者はいない。
だから、私の本音は「せめて今週いっぱい、休んでほしい」。
…これこそコロナハラスメントであり、自分の中の「黒い部分」をまざまざと見るようでとてもイヤなのだが、「痛い目に遭いたくない」欲のほうが勝ってしまう。
…結局、怒涛のように仕事をして、私の方が家に帰ることを選択した。
再雇用で得た権利の一つが「出・退社時間自由裁量」で、本当によかったと思った。
針先に 泣いた深夜の 診療所
鞠子