地元紙の記者が、「ネット上での報道展開」と題した短いコラムを書いていた。
この方、デジタル報道部に属していらっしゃるらしい。
コラムによると、先月、陸上自衛隊射撃場で起こった発砲事件について、迅速に事件の一報を伝えなければと必死に情報を集め、事件発生後約2時間後に第1報を、その後、実に50回以上にわたる更新をしたとのこと。
文面から、その日の緊迫した状況がよくわかった。
さらに、ネット上での報道展開は、特に自然災害に関するニュースに関して重要度が増すとも書かれており、確かにその通りだと思った。
だけど一方で、なんかモヤモヤするのは私だけか。
新聞は、購読数が激減していると聞く。
その理由の一つは、まさにこのネットニュースなのではないだろうか。
ということは、この記者が正確でいい記事を書き、どこよりも早くネットで配信すればするほど、自社のメイン商品は売れなくなるということではないか。
新聞社によるネット配信報道は、どこから利益を得ているだろう。
新聞社は、将来的に紙媒体の発行を限りなくゼロに近づけていく、という経営方針なのなら、ある意味、理解できる。
だけど、そこまで覚悟を決めているとも思えない。
なぜなら、新聞社が出しているネットニュースでも、誤字脱字、明らかな事実誤認が散見するから。
出元不明の情報と差別化するためには、少なくとも新聞社ならではの正確性とか正しい日本語による表記とか徹底しないと、と思うのだが、いかがなものか。
ネット上 ウソもマコトも 入り乱れ
鞠子