友人から「グループ展を行うので、都合がついたら来て」なるお誘いメールが来た。
彼女は社会人になってから、美術系の趣味に没頭しだした。
染物とか絵とか篆刻とか。
それは趣味の域を超え、学校で学び、いろいろ賞をとり、展に出したり展を開いたりしている。
これまでも、案内をもらうたび、観に行った。
彼女の作品の出来がどうなのか、とか、その展で最優秀に輝いた作品を観てもそれがなぜなのか、とか、私には詳しいことはさっぱり分からないが、観るのはなかなか面白い。彼女の作品に関して言えば、色遣いとかネーミングが「いかにも彼女らしい」と思ったりする。
いろいろ忙しい中で、こういうことに時間やお金を割くのはそう簡単なことではない。
おまけに年とともに、意欲も減退する。
私自身、ダブルワークで超忙しくなってしまったことは確かだが、本当に意欲があれば、時間などいかようにも捻出できるはずだ。
そう、問題は「意欲」。
最近、本当に物事に意欲的になれない。
ダブルワークはほとんど「趣味」だが、とはいっても仕事である以上、納期があり、出来が問われるわけで、責任感のほうが先に立つ。
こんな毎日を送っていると、ますます自分が枯れる気がする。
彼女のお誘いメールを見て、今のままではだめだ、と強く思った。
来月、公共施設のステージでグランドピアノを弾く、というイベントがある。
昨年、初めて申し込んで玉砕した。
別に、観客がいるわけでもなんでもないのだが、ステージにいるというだけで大緊張し、マイピアノとの音の違いに圧倒されてしまって、悲惨な状態だった。
余りに落ち込んで、こんなこと、もう最初で最後、と思ったが、彼女のメールで一念発起しようという気になった。
夜も土日も仕事しなきゃなんない状態だが、彼女のグループ展に行くのとピアノイベントに向けての練習、なんとか頑張ってみようと思っている。
枯れぬよう 音楽もしくは 文学で
鞠子