不思議なのは、元JTの塀の前でたたずむおじさんだけではない。
私の出勤途上には、もう1人(←正しくは集団)、不思議な人たちがいるのである。
日によっては5人、日によっては6人で1組。
ピンクや金色、あるいは上部は黒で下部は緑といった色とりどりの髪をした若者集団が、2組も3組も、離れてわらわらと南に向かって歩いているのである。
服装もラフ&今っぽくて、あえて言うなら、美容学校に通う生徒たち、といった感じ。
だが、彼女らの向かう先には美容学校はない。美容院もない。
いったい、どういう集団なんだろうか。
ずっと不思議でならなかった。
彼女らの行く方向で考えられる目的地は、大型のパチンコ店。
そこの従業員かとも思ったが、しかし今どき、こういう業種のほうが髪の色にはうるさいのではないか。こんな色とりどりの人たちが、制服を着て店内にいるとは考えられない。
あとはスーパーか、自動車修理工場か。
でも、どうにもしっくりこない。
それが、だね。
今日、彼女らの目的地が判明した。
先頭集団が入っていったその先は、ガスやガソリンをはじめ建築、不動産等々も扱うこのあたりでは老舗で大きな会社の本社だったのである。
入ったところに創業者の銅像があるような。
そして印象としては「女子社員は制服着用・マニキュアだめ・ピアスだめ・カラーだめ・ストッキングは肌色」と言いそうなカタブツ会社なのである。
もしかして、私がそう思い込んでいただけで、会社は大きくその風土を変えたのかもしれない。
不思議を通り越して、意外感満載だった。
と同時に、ちょっぴり感動してしまった。
昨日と 同じものなど 何もない
鞠子