職場の最若手オトコ後輩が、先週、濃厚接触者になったので、急きょ在宅勤務に切り替えた。

彼、これで3度目。

実はうちの職場、これまで感染者ゼロ。そして濃厚接触者で出勤できなくなったのも彼一人なのだ。

 

以前も、今回も、急きょ、在宅勤務に変更したことで、他のスタッフが彼の代わりにやった仕事はいくつもある。私自身で言えば、今週、彼が打ち合わせのアポを取っている大学の先生に対する返信メールを、彼になりかわって何度も打った。どうしても職場のアドレスから送らなければならず、やむを得なかった。

 

いまや、感染したからといって、濃厚接触者になったからといって、何も責められることはない。

だから、謝る必要もない。

だけど、自宅待機期間を終え、出勤してきた初日、「迷惑をかけてすみませんでした」の一言があってしかるべき、ではないだろうか。

…というか、意識せずとも何気に「すみませんでした」と口から出てしまうものではないか。

 

彼はこれまで、ただの一度もそれを口にしたことはない。

濃厚接触者のことだけでなく、ケガでしばらく体動が不自由だったときもそうだった。

ごく普通に、何事もなかったかのように出勤してくる。

実際にかかった家族が治ったのか治らないのか、どんな症状だったのか、どんなふうに隔離したのか、3度とも、何一つ、報告はない。

 

他スタッフ全員、かかった彼の家族、そして彼自身を心配しているのだが、もはや今、誰もそれを言わなくなってしまった。

私ももう、すっかり聞く気をなくしている。聞いたところで、気のない返事をされること、わかりきっているから。

かといって、聞かれるのがイヤというわけでもない。もちろん、聞かないでくれ、という意思表示もない。

 

彼には悪気は全くないのだ。

だが、「こういうときは、すみません、というものよ」と指導するようなことでもない。

経過報告も「すみませんでした」の一言も、例えばAIに判断させたら「ヒツヨウアリマセン」と言うだろうけど、たかだか数人の職場でこれは非常に水くさい。雰囲気を壊す。

 

…と心中、決して穏やかではないのだが、私自身、こういうことを言うたびに「老害ではなかろうか」と傷つくのが怖く、ますます口を閉ざしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一言が 冷にも暖にも 気を変える 

鞠子

 

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