私の職場の階下に「ゲームアプリを開発している会社」がある。

社名をネット検索してみて初めて、この会社がとある「人気アプリ」をつくっていることを知った。

 

だがしかし、全然つきあいがない。

出退勤の決まりがないのか、いろんな時間にいろんな社員らしき人がやってきて、いろんな時間に帰っていく。真夜中でも電気がついているかと思えば、昼中、無人のようなときもある。

もちろん、会社内は全く見えない。

 

それよりなにより、わらわら出勤・退勤する人々が、とにかく「無表情」なのだ。

階段ですれ違っても、あいさつどころか目も合わさない。うつむいたままか視線を宙に浮かせたまま。

目が濁っている。

まるで、死人が歩いているみたいだ。

 

この社の人気ゲームアプリは、キラキラした美しい少女が主役。こんな「夢、かきたてる」作品をつくっている人たちが、見た目、「死人」だなんて、なんとも切ない。

 

ゲームにハマっているみなさん、そのアプリを日夜つくっているのは、老若男女、そしてまるで生気のない人々なんだよ。

 

 

 

 

人々の  夢を支える  よどんだ目

鞠子