今日、うちの職場のスタッフ会議で最若手オトコ後輩が出してきた2枚の企画書を見てむくっと疑問がわいてきた。
1枚は、新入社員向けの研修。
4月入社時に書いたレポート「社会人としての抱負」を読み直して、感想を書く、という講座が設定されていた。
半年前に自分が書いたものに対する感想ってどうなのよ、とも思ったが、それ以前に、入社時「レポートを書いていない」人が若干いることに対する配慮が全くなされていないことだけは看過できぬ、と思った。レポートを書いていないのは、会社のせいであり、本人のせいでは全くない。その上、今回研修会場に来てみて初めて、「自分にはそのレポートがないこと」を知る。私がレポートなしの受講生だったら、たまらなく嫌だ。
…とオトコ後輩に言った。
彼、目をぱちくりしている。このオバサン、何言ってんだ、という顔でじっと黙っている。
つい、声を荒げて、「君だって、自分だけレポートがなかったら、嫌でしょう」と言ってしまった。
彼の返答は、あっけなく一言だった。
「別に、嫌じゃないです。書いてないんだから、仕方ありません」
こう言われたら、もう返す言葉がない。
さらにもう1枚は、3年程度働いた社員向けの研修。
半日、行うのに、全部グループ討論。それも討論テーマが「これまで働いて感じたこと」と「社長に聞きたいこと」で、それぞれ1時間ずつの時間が取ってある。
こちらも、オールグループ討論ってどうなのよ、と思ったが、それ以前に、この討論テーマで議論になる? いまさら社長に聞きたいことって何? これじゃあ、計2時間、持たない。
…とオトコ後輩に言った。
彼はやっぱり目をぱちくりしたまま、さらに、うっせーな、このオバサン、と顔が険しくなっている。
そして彼の返答は、やっぱりあっさりこの一言だった。
「持つんじゃないですか」
もうすっかり言う気をなくした。
だけど、これだけは言っておこう、と心にムチ打った。
何十年もこの仕事をしてきた私が思うのは、特にこのテの研修は「自分が受講するとしたらどうか」という視点を持つことがとても大事だということ。
自分が出るとしたら、何をどうしたら、少しでも楽しく、少しでもためになり、少しでも思い出に残る研修にできるか。それを考えるのが、自分の力にもなる。
…無駄だった。
最後まで、ポカーンとしたままだった。
想像も チャレンジもせぬ 老若手
鞠子