昨夜、地元で行われた諏訪内晶子さんのヴァイオリン・リサイタルに行った。
コロナ禍前は、毎週末と言っていいほどあちこちに行って、コンサート・演劇・歌舞伎三昧していた私。なのに何の制限がなくなった今でも、どうしても公共交通機関が使えない。つまり、どうしても他県に行けない。必然的に、車で行ける地元なら「もはや楽器、何でもよし」な気になっている。
私的には、ヴァイオリンは優先順位が高くない。でも、諏訪内さんだしピアノがエフゲニ・ボジャノフさんだし、行かない手はなかった。
その上その上、「Shigeru Kawai」のピアノがやってくる、と聞けば期待大・大・大。
…で、諏訪内さんのヴァイオリン、強烈に「私をえぐってくる」演奏だった。
なんだろう、「で、お前は何を考えているのか、どうしたいのか」とぐいぐい問い詰めてくる感じなのである。
そうかと思うと、ふっと穏やかなトーンに変わって「大丈夫、ゆっくり考えればいいんだから」と包み込んでくれるような。
…こんな感じ方、変かしらん。
もちろん、ピアノもガン見した。
椅子を相当低くして、まるで反り返ったような姿勢で弾くボジャノフさん。
ヴァイオリンと語り合う・反駁する・調和する・戦う…… まるで音同士が生きているようだった。
ただ、タブレットの譜面、私はどうしても違和感があるんだけど、これはもはや時代遅れなのかもしれないな。
さて、ところで、
これ、全く親バカ的な話なんだけど…
カワイのピアノって、音がやさしい気がする。
だから好き。
わが家のピアノも「Shigeru Kawai」と同系列な音色な気がして、なんだかうれしくなっちゃった(「Shigeru Kawai」にあまりにも失礼な親バカぶり)。
音と音 命を懸けて 向かい合う
鞠子