スマホで、「24時間営業・女性専用フィットネスジム」のCMを見た。
隣市にできるらしい。
普通のジムだと男性の目が気になって利用しづらい、そんなあなたにぴったり、とある。
設備や備品も完全に女性向きで、どちらかというと「健康」より「美の追求」に重きが置かれている感じのジムだ。
私など、スイミングで「男性の目が気になる」などと思ったことがない。というより、自分自身の視力不足により、「人があんましはっきり見えてない」。自分が見ていない、だから人も同様、見てやしない、と思い込んでしまっている。
よって、「女性専用」であることに、全く利点を感じない。「美の追求」も、ま、面倒だな、と思う年頃(?)でもある。
ただ、「自分を磨き上げる」というキャッチフレーズは、不意に胸に響いた。
「美しく見せたい部分を磨き上げることが可能」だという。つまり、足とかお尻とか、具体的にそういうところを意味しているのだろうが、私は全く違うことを考えた。
「磨き上げる」という言葉の持つ力強さ、というか。
もっと大きな意味で、「ひとりの人間として自分を磨き上げる」ということ。
「磨く」んじゃなくって「磨き上げる」。
これって、生半可な話じゃない。相当ストイックさを要求される。
ジムにどんな設備がなされていようと、高級なアメニティが揃っていようと、男性がいようといまいと、磨き上げるためには相当に強固な意志と体力が必要だ。
ましてや「ひとりの人間として自分を磨き上げる」となれば……
でもそんなこと、ひそかにめざしてたよな、10年くらい前までは、私。
あのころの情熱が、今となっては全く幻のよう。
いつからか 時間を眺める 人になり
鞠子