作日、福島で竜巻が起きた旨、テレビで見た。
自動車がいとも簡単に巻き上げられ、転がされ、地面に落ちるさまは、一瞬、映画のワンシーンのように見えたが、すぐ、自然の驚異の恐ろしさに思いが至った。
だが、次に考えたのは、「この映像、いるか?」ということだった。
視聴者が撮影した動画。当然、撮影した人の「言葉にならない驚きの叫び声」や「意味不明なつぶやき」まで入っている。こんなシーンを直に見たら意味不明なことを口走ってしまう気持ちはとてもよくわかる。私もきっと、「〇×■◇△%$!!!」と叫ぶに違いない。だが一方で、この方は「冷静に撮影している」のである。
ニュース番組でもワイドショーでも、今や「視聴者が現場で撮った映像」がいかに多いことか。
こういうドラマチックな映像を撮ることに懸命になっている人もいるんだろうし、採用されれば収入にも結びつくのだろうと思う。
でも、ここまでのリアル映像、いるか?
昨日の竜巻映像だって、車の持ち主はどう思うだろう。その車が停めてあったマンション駐車場の利用者、マンションに住んでいる人はどうか。もし私だったら、間違いなく不愉快に思う。
翌日の現場写真くらいで十分じゃないのか。
ナマの情報が早く伝わることがそんなに大事だろうか。
もちろん、TPOにもよるだろう。
でも私はもう既に食傷気味。
見なくても 幸も不幸も 胸響く
鞠子