NHKの朝ドラの影響かもしれない。
沖縄料理の店に行った。
カウンター席に座り、「焼きそば」をオーダー。「沖縄そば」ではない、普通の「焼きそば」を頼んだ。
ほどなくして、白い皿に盛られた「焼きそば」が目の前に置かれた。
食べた。
まずくはないけど、特別おいしいというわけでもない、まさしく普通の焼きそばだった。
ところが、
食べ終え、レジに行ったら、ハイビスカス柄のエプロンをつけた女性が「2,000円です」と言うではないか!
ええっ? 2,000円? あの平凡な焼きそばが2,000円?
おそらく顔中、不信感満載だったのだと思う。ハイビスカス女性は、黙ってメニュー表を出し、「焼きそば」の欄を指でさした。確かに「焼きそば 2,000円」となっている。
普通であろうと何であろうと、ここの焼きそばはとにかく2,000円なのだ。だが、他のメニューには「600円」とか「800円」とか、無難な値段がついている。なぜ焼きそばだけ2,000円なのか。わけがわからない。
私は、オーダーの際、メニューは見なかった。焼きそばが2,000円だとわかっていたら、頼まなかった。
…と今さら言ったところで、食べてしまった今となっては、2,000円、払わざるを得ない。
私はしぶしぶ財布から1,000円札を2枚、出し、ハイビスカス女性に渡した。
渡しながら、能面のような顔で言った。
「オーダーする前に値段を確認しなかった私が悪いんだけど、あれで2,000円なんて、私、絶対、友だちに言うよ。あの店、焼きそばだけムダに高いって。全然意味わかんないのに焼きそばだけ高いって。そういう噂、どんどん広がるよ。そしたら命とりになるから、この店」
……という夢を見た。
久しぶりに、ストーリーの整った夢だった。
そして、私の「底意地の悪さ」がにじみ出ていて面白い結末だった。
ちなみに私は、沖縄料理の店に入ったら間違いなくゴーヤチャンプルーを頼む。
白い皿 トリュフが入って いたのかも
鞠子