今日、スタッフ会議で、オトコ後輩S君の報告に、彼の意外な側面を見た。

 

彼の担当する客様の会社に、ロングヘアの男性社員がいる。

社長は、その髪型がどうしても許せないのだそうだ。衛生面にはとことんこだわらなければならない仕事だし、社長自身「男の長髪なんて、ありえない」という価値観だからだ。

実際、就業規則には「女子社員の髪は肩まで。それ以上の場合は一つに束ねる」と記してあるらしい。

 

私もその社長を知っている。長い髪の男性社員を苦々しく見ている社長の顔が、目に浮かぶようだった。

 

さらにS君が言うには「その男性社員の課は、全員、頭の先から足の先まで包む、いわゆる防護服スタイルで仕事しています」。

 

だったら、坊主頭であろうと長髪であろうと関係ないのではないか。

髪型を規制した規則など、中学校の校則以来、見たことがない。いずれにしても、女性社員限定はまずいと思うし。でも、この就業規則を作成したころは、社長も「長い髪の男」など、考えもつかなかったんだろうなとも思う。

男性社員に彼に髪を切ることを強制できるか。やっぱりできない気がする。そんなことを言ったら、やる気をそぐような気がする。

たかが髪型ごときのことで。

 

…と、基本的に「縛られるの、嫌」な私は思ったが、S君は全くそうじゃなかった。

 

「僕は、(髪を切るのを)強制すべきだと思います。そもそもそういう業種の仕事なら、髪が長いなんて、普通、ありえません」

それだけでなく、

「例えば受付の女性が前髪にメッシュを入れてるなんて、普通じゃないでしょう」

とまで言い放った。

その考えは絶対に譲らないという気迫がこもっていた。

 

S君の価値観は、別に特異なことでも何でもない。世の中には、こういう考え方の人の方が多いかもしれない。

ただ、彼の普段の言動からしたら、その発言はあまりに「真逆」だった。そして、これほど強い口調で主張するのを初めて聞いた

 

うちの職場は、それこそゆるすぎるほど縛りがない。縛るのは自分自身だけだ。そのぶん、豊かな発想、アイデアがいる。好奇心も必要だし、いろんなジャンルに触れることも大切だし、いつも自分なりの意見を持つことも求められる。そういう仕事の特性を試用期間中にこんこんと話したし、それがいいから入ってきたのだと勝手に解釈していた。

私以上に「縛られるの、嫌」な人だと、私は思い込んでいた。

そうじゃないんだ。むしろS君は、諸事、規則で決めてほしいと思っていたのだ。

 

意外な発見だった。

彼に対する言動を、私の方が改めなければいけないと思い出した。

 

 

 

 

いまさらに 適材適所が 身にしみる

鞠子

 

 

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