今日は、運転免許の更新だった。
とうとうゴールドからブルーに転落……はさておき、5年ぶり、そしてコロナ禍の更新。ツッコミどころ満載で、当ブログ、1週間はこのテーマで書けそうだ。
だが、あえて「他人編」「自分編」「その他」の3つに絞ることにする。
[運転免許更新にまつわるあれこれ・その1『他人編』]
〈電話、切らんかい!〉
講習中、コロナ禍のせいなのか、ビデオを見ている時間が結構長い。
ところがその間、ほとんどスマホを見ている中年紳士がいた。
そう、私が「紳士」というくらい、大勢いる更新者のなかで、ひときわ目立つかっこいいオジサンだったのだ。スタイルといい、ファッションといい、芸能人でも通りそうな雰囲気。
その紳士、講習時、私の斜め前に座っていた。
始まる前、講師が、「携帯は電源を切るか、マナーモードにせよ」と注意したし、ビデオの画面にも、そう映し出されていた。
だがしかし、この紳士、全く無視。まるで無視。完全無視。ビデオが、「運転中、スマホを見ていて起こる事故がどれほど深刻か」を訴えているときですら、自分のスマホをガン見している。
そのスマホの画面、私とビデオ画面の線上にあるんだよね。なので、私の視界に入る。見ているものまで丸見え。この紳士、なんといろんな「鍋料理」の画面ばかり見ているのである。
薄暗がりのなか、スマホ画面がやたらと明るく光る。
全くウザくてたまらない。隣の人も気になるらしくちらちら見ているが、全く意に介さないご様子。
だがしばらくして、さらなる大事件が起こった。
この紳士が、スマホをカバンに入れ、ようやく事故ビデオに目をやったときだった。
大音響で、スマホがなりだしたのだ。その紳士に電話がかかってきたのである。
こういう場合、あたふたしてスマホを取り出し、音を止めるのが普通ではないのか。
ところがこの紳士、知らん顔。あたかも「私のスマホじゃありません」とシラを切り続けたのである。
電話はずっとなっていた。なり続けていた。相当長い時間、なりっぱなしていた。
それでも講師は一方的に話し続けている。
ちなみにこの紳士、席は最前列。私は2列目だった。後ろの方の人は、なっているスマホの持ち主を特定できないだろうが、私の席からは明らかに紳士のスマホだとわかった。
いったいなんというツワモノか。
講師も別の意味でツワモノだが。
それほどスマホが楽しいのか。鍋料理の写真が面白いのか。
講習のビデオは、なかなかうまくつくってある。講師も話がうまい。私は全く退屈しなかった。それどころか、見入ってしまったし聞き入ってしまった。安全運転しようと心に誓った。
いくらルックスがおされでも、こういう人、人として貧しすぎる。
なんだかとってもがっかりした。
(明日に続く)
その画面 なければ貴方は 屍か
鞠子