スイミングで、まるで魚の大群のように力強く、そして美しく泳ぐ子どもたちを見ていて、妙な思いにとらわれた。
プールという人工物の中で、泳ぎに適した素材の水着、目を守るゴーグルという化学技術を利用してつくられた人工物を身につけてはいるが、「泳ぐ」という行為自体は、とっても原始的ではないか。
他のスポーツを見ても、短距離、中距離、長距離を問わず「走る」競技も、砲丸投げとかやり投げといった「投げる」競技も、原始、生きるために必要な能力ではないか。
球技にしたって、狙ったところに入れこむ、狙った相手にぶつける、これらも獲物を獲る上では欠かせない能力。
え、もしかしてスポーツって、全部が原始的なもので、生き残るための能力を高めるために始まったものなの?
どんなに文明が発達しようとも、問われるのはそれ?
…って、いまさらこんなことに気がついたのか、あるいは全く見当違いなのか。
でも、「eスポーツ」に違和感を持つ理由が、自分のなかですっきり落ちた。
胸につかえていたものが、一つ、とれた。
子どもらの 泳ぐ力に 励まされ
鞠子