(1)小学生のくせに……
あえて差別的表現「小学生のくせに」を使わせてもらう。
小学生、それも低学年とおぼしき女児が、キッチンにやってきて、母親らしき人に「オリーブオイル、どこ?」と聞く。(←ん? 食事中でもなさそうなのに、何にかけるんや?)
母は「どこに塗るん?」と聞き返す。(←何? 塗るんかい!)
女児の答えは「ひじ。ちょっとカサカサしてるから」
オリーブオイルを「塗る」時点でまず驚いたが、は? 何ですと? 小学生のくせに、ひじがちょっとカサカサしたくらいでオリーブオイルを塗る、だって?
これ、なんとかセーコー園なる美容オリーブオイルのテレビCM。
子どもが美容オリーブオイルをつけてはいけないなどという決まりはどこにもないが、だったらそのへんにある試供品のクリームでも塗っとけ! などと妙にイラだってしまう。
……これ、単なる庶民のひがみか。
(2)老人のくせに……
「老人のくせに」も差別的表現だと思うが、さらに「十分、若見えのくせに…」も追加したい。
このテのCMがありすぎて、商品名も会社名も頭に残っていないのだが、確かオールインワンタイプのファンデーションかクリームのCMだったと思う。80代の女性が鏡を見ながら、「こんなになってしまって… 情けなくって…」と泣くのである。シワ・シミ・タルミ・ハリのなさが悲しくて悲しくて。
いや、これ、イラつくわぁ。
80過ぎたら、シワ・シミ・タルミ・ハリなし、当たり前ではないか。その年で、20代と同じ肌だったら、逆に気持ち悪い。
それを泣くとはどういうこと? 泣けるようなことか?
自分自身、80代になったときを想像すると、己の老け顔を見て泣くなどという余裕は全くなく、足が痛い・腰が痛い・物忘れが激しい・昨日までできていたことができないetc. etc. そんなことで日々せいいっぱいなのではないだろうか。
それに、そもそもその女性、とても80代とは思えぬ。めっちゃきれいやん。
それで泣くなんて、バチアタリもいいとこだっ!
…とイラだつものの、実はすごくうらやましく思っている。
(3)マツ毛にまで進出して……
ヒヨコは生まれたときから毛がフサフサ、そこから開発したという育毛剤(養毛剤?)。
ヒヨコの体毛と人の髪の毛が同じとはどうしても思えず、イラだつばかりか、「使用者の声」として出てくるオジサマの日本語がヘンテコで、さらにイラだちに拍車がかかるCMだったのだが、最近、マツ毛美容液まで出してきて、イラだちが倍加した。
とうとうマツ毛まで、ヒヨコの体毛と同類に …… 科学的根拠はどうでもよく、感覚的にイラついてしまう私は小物すぎか?
イラついた状態で見るからか、「長引くマスク生活、重要なのは目力、つまりマツ毛」 と言われて、よけいにイラだつ。
だって、それって結局「見た目」だけの問題でしょう。
いくら目力があっても、中身がスカスカでは意味がないではないか。
…庶民&小物&目力も中身力もないオバサン、こんなことで遠吠えでもしないとやってらんないわ。
本心は 髪も睫も ホシイデス
鞠子