男が刃物で人の腹部を刺したという殺人未遂事件が新聞に載っていた。

うわ、結構我が家の近く。というより、私の散歩コース。

事件が起こったマンションの玄関付近の写真が載っているが、それだけではどこのマンションか、判別できない。なぜ事件が起こったのか、動機は何なのか、詳しいことも書かれていない。

ただ、捕まった男の肩書が「自称・彫物師」となっている。

 

うわ、これはいけない。相当怖い。後ろにくっついている人や前に立っている人の人となりをいろいろ想像してしまう。指がない人や全身模様まるけの人や。もしかして被害者も、頬にキズがあったりして。

…とそこまでと考えて、我が身を恥じた。

昨日、当ブログでルッキズムを非難したくせに、自分だって同じこと、やってるじゃん、と。

 

都合のいいときは、職業に貴賎なし、なんてカッコいいこと言っているのに、彫物師というだけでこの先入観はどうよ。おまけに超々平凡な思考回路。

それだけではない。谷崎潤一郎の『刺青』なら、彫り物師(←文中は刺青師)・清吉を「極限の美の追求者」などと言い、素敵だわ、だの、好きだわ、など、めっちゃ好意的に見るくせに。

小説の世界に過ぎないと言えばそれまでだけど、では実存の彫り物が「極限の美の追求者ではない」と言い切れるのか? 知りもしないのに?

 

根深く潜む差別感はルッキズムだけじゃない。

「ポスティズム」というか「オキュペーショニズム」というか。

勝手にネーミングしつつ、なんとも情けない気分になった。

 

 

 

 

 

ポスティズム私に潜む差別感

鞠子

 

 

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