救急車で運ばれた意識不明の高齢者。治療に当たった救急医や看護師が感染してしまったという事例。
この患者さんが利用していた高齢者施設で感染者が出たことが後でわかり、検査したのだそうだ。
意識不明の患者を前に「まずはPCR検査だ」なんて実際ムリなのであり、患者さん・医師・看護師、そして病院、なんとも気の毒でならない。
一方で、フィリピンパブやカラオケスナック、親族大人数での会食でクラスターが発生。
全く今時、なにやってんだ!
···などと思う一方で、釈然としないものも残る。
病院関係は気の毒で、飲み食い関係は腹が立つ。そのくせ、これってやっぱりおかしい、ある意味、間違っているとも思う。
パブで働くフィリピン女性も、口を糊するための「仕事」なのだ。そういう点では、医療関係者と変わらない。「今時、そんなところへ行くな!」が徹底されたら、この人たちは飢え死にしてしまう。
では、「利用する側」から見たらどうか。
病院は「なくてはならない」。フィリピンパブは「なくてもかまわない」。つまり、社会的な価値が違う···とは思うけど、世の中にはフィリピンパブに行くことで精神的に救われている人・元気をもらっている人もいるはずだ。
社会的な価値なんて、人によって違う。一方的に決められない。
首都圏で再び緊急事態宣言が出され、今回は飲食店が集中的に自粛を迫られるようだけど、やっぱりこれもしっくりしない。
この前、感染症専門医が言った「痛み分けすべき」という言葉が、胸にチクチクする。