昨日、ふと思い立って掃除機をかけた。
いつもは「室内用ほうき」や「粘着テープのカーペットクリーナー」を使うのだが、「たまには…」と思ったのである。
机の下とかワゴンの下とか、普段、やり過ごしているすき間にノズルを差し入れて掃除をしていたのだが、ゴグッというすごい音とともに、何か異物を吸い込んでしまった。
うわ、しまった、と思ったが時すでに遅く、以来、スイッチを入れると掃除機が妙なうなり声をあげるようになってしまったのである。
何を吸い込んだのか。
中を開けてみた。ダストパックは綿ボコリまるけだが、音を出すような異物は入っていない。そもそも、吸い込んだものが、機械部分をダメにするとは思えない。だがしかし、スイッチを入れると掃除機はグォォーンとうなるのだ。
…困った。よくわからないが、とにかく壊れたことは間違いない。
なにしろ天下の「ナショナル」ブランドだ。パナソニックではない。ナショナル時代のシロモノ、つまりもう寿命と言えば寿命なのだ。そしてこんな時に限って、テレビはホース部分だけみたいな今風掃除機のCMをしつこく放映している。
ここへきて、想定外の出費かぁ。がっかりした。
だが、おかしなことに気がついた。
ホース部分を取り外してスイッチを入れると、うならない。正常な音に戻る。
ということは、ホース部分に何かが???
覗いてみた。「ホースの先」が見えない。ホースの向こうに光が見えるはずなのに、半透明になってしまっていてホースの向こうに何も見えない。
なんだこれ?
母が使っていた和裁用の木製物差しでつっついて、取り出した。ようやく吸い込んだものが判明した。ペットボトルのキャップ。それも、直径がホースの直径とぴったしだったようで、まともにまっすぐ吸い込んだのだ。
そしてうなり声は収まった。
うまく抜けてよかった。
それよりなにより、「普段と違うことをする際は要注意」だと真剣に思った。